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  理事長あいさつ

我が国は、古来より多くの自然災害を受けてきました。その中で日本人は自然災害に対処する方法を経験的に積み上げて参りました。しかし、明治以降の急速な社会の変化と発展の中で次々と新しいかたちの自然災害が顕在化し、翻弄されてきました。明治24年の濃尾地震災害、大正12年の関東大震災などは、社会的にも経済的にも我が国に大きな影響を与えました。それと共に、我が国の地震災害対策強化のきっかけとなりました。戦後も、昭和34年に伊勢湾台風による大災害が発生しました。平成7年の阪神淡路大震災では高度経済成長期の構造物の脆弱性があらわになりました。東日本大震災では事前の被害想定に対する考え方が根底から覆り、対策の可否にかかわらず起こりうる災害に正面から向き合う必要があることを示しました。近年では大気中の二酸化炭素の増加による温暖化で、極端な気象現象が頻発するようになり、各地で土砂災害や水害が発生しています。

このような自然災害の脅威に立ち向かうには、地震・火山噴火や気象現象、洪水・土砂移動などの自然の仕組みを理解するとともに、自分たちや社会の脆弱性を認識して、適切に対処することが必要です。漠然と過去の経験に頼ることが危険であることは近年の災害報道における住民インタビューで「ここに30年住んで初めての経験です」というようなコメントが必ず出ることからもわかります。

本協会がめざすところは、日本の将来を担う子どもたち一人ひとりの防災に関する知識と意識をはぐくみ、社会の変化の中で様相を変化させる自然災害に対処する能力を持ち、将来の我が国の安全と安心に寄与する人材を育てていくことです。そのために、本協会では、ジュニア防災検定や防災検定の創設、防災出前授業・防災イベントなどの数々の活動をして参りました。今後は、さらに全国の防災関係者の方々と協力してこれらの取り組みを広げ、より充実した防災教育に貢献する活動を進めていきます。私も理事長として微力ではありますが、本協会の活動を通じて多方面の方々と一緒により良い防災教育をめざした取り組みを進めていきたいと考えています。

 

令和4年6月14日記

理事長
一般財団法人防災教育推進協会
理事長 山岡耕春
プロフィール

名古屋大学大学院環境学研究科長
・教授
http://www.seis.nagoya-u.ac.jp/~
kyamaoka/yamaoka-j.html